この事例の依頼主
70代 女性
相談前の状況
相談者は、土地賃貸人(土地所有者)であった。借地人に家族や相続人がいるか否かが不明であり、まずは相続人調査が必要であった。相続人がいる場合には、その相続人に対して、滞納地代の支払を求め、かつ、地代を払わない場合には、土地賃貸借契約の解除及び土地の明け渡しを求める必要があった。相続人がいない場合には、その場合の対応も求められた。
解決への流れ
亡くなった借地人(男性)の相続人調査(戸籍を追跡する調査)をしたところ、借地人には妻と長男、二男がいたことが判明したが、妻と長男は既に死亡しており、二男は所在不明であった。そこで、家庭裁判所に照会をかけて、二男の相続放棄の有無を調査したところ、相続放棄していることが判明した。次に、次順位の相続人の調査を行い、借地人の両親や兄弟姉妹を調べたところ、両親は既に死亡しており、兄弟姉妹は全員相続放棄しており、相続人不存在となっていることが分かった。そこで、家庭裁判所に対して、相続財産清算人(当時は相続財産管理人)の選任を申し立て、相続財産管理人を選任してもらった上で、同管理人に対し、地代の不払いを理由に土地賃貸借契約を解除し、又、同管理人の同意を得た上で、建物収去・土地明渡を実現した。
土地や建物(不動産)を所有しており、その不動産を第三者に賃貸していたところ、その不動産賃借人が亡くなってしまい、相続関係がよく分からないといった事案については、相談を受けることがままあります。どんなに複雑な相続関係であっても、相続人がいるのか否かは、最終的には分かることです。それが分かれば、解決の方法はありますので、お困りの事案があれば、お気軽にご相談ください。