この事例の依頼主
50代 女性
相談前の状況
姉妹2人のうちの1人である相談者は、すでに父親は10年以上前に他界していたのですが、母親も亡くなったとのことで、母親は、同居していた相談者に全財産を譲るとの遺言を遺していました。ですが、別居していた姉から遺留分減殺請求の調停を起こされたため、調停の対応のために、相談にみえました。
解決への流れ
相談者は、亡くなった母親と同居していたので、同居していなかったお姉さんからの請求を不本意に感じていたようでしたが、この遺留分減殺請求自体は、法律の制度として認められている以上、やむを得ないものだと丁寧に説明して、納得いただきました。その上で、相手方であるお姉さんは、弁護士をつけてきてはいましたが、不動産を実勢価格以上に高額に評価し、請求内容が明らかに過大なものになっていたので、調停ではその点を指摘し、立証資料も準備して提出した上で、最終的に、お互いが納得のいく金額で、遺留分減殺請求の調停をまとめることができました。
親からの相続で、財産を全部相続させるとの遺言を受けた場合には、親の面倒を看ていたことも多いため、相手方からの請求を受けて不本意に感じられてしまったりします。さらに、相手方からの請求が過大であったら不安も大きくなります。法制度を趣旨に沿ってご説明しつつ、財産の評価を適切に行って、両当事者の納得のいく落とし所で解決できたのは良かったと考えております。