犯罪・刑事事件の解決事例
#労働条件・人事異動 . #パワハラ・セクハラ

【マタニティハラスメント】【労働問題】【慰謝料請求】

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髙橋 智 弁護士が解決
所属事務所弁護士法人髙橋智法律事務所
所在地北海道 札幌市中央区

この事例の依頼主

20代 女性

相談前の状況

妊娠したのですが、私の勤務する職場では、妊娠が分かるとマタニティハラスメントと思われる言動が出始めてきて、とても不安です。どうしたらいいでしょうか。

解決への流れ

民事調停を申し立てて、職場環境の改善を求めたり、慰謝料を求めていくことが可能だと分かりました。検討してみます。

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髙橋 智 弁護士からのコメント

①職場で、妊娠、出産への否定的な言動の要因の一つに、妊娠・出産した労働者の労働能率低下により、どうしても周囲の労働者の業務負担が増大するということがあるようです。この問題は、職員同士の努力で解決できる問題ではありません。②解決のキーは事業者が握っております。事業主は、周囲の労働者の業務負担等にも配慮することが必要です。また、妊娠・出産した労働者の側においても、妊娠・出産に関する諸制度の利用ができるという知識を持つことや体調等に応じて適切に業務を遂行していく上で周囲と円滑なコミュニケーションを図ることが必要です。実際、雇用機会均等法や育児介護法の改正により、国、事業主及び労働者の責務として、前述のセクハラと同様の努力義務が規定されています(雇均11条の4、育児介護25条の2)。③厚労省では、「事業主が職場における妊娠、出産等に関する言動に起因する問題に関して 雇用管理上講ずべき措置についての指針」が示されています。この指針の内容は極めて重要です。指針に反する対応が職場で発生した場合には、発生したマタハラ被害について民事上の責任を問われる可能性が高いと考えても良いようです。④同指針では、女性労働者が妊娠・出産に関する制度等の利用をしたことにより、上司又は同僚が当該女性労働者に対し、繰り返し又は継続的に嫌がらせ等(嫌がらせ的な 言動、業務に従事させないこと又は専ら雑務に従事させることをいう。 以下同じ。)をすること(当該女性労働者がその意に反することを当該上司又は同僚に明示しているにもかかわらず、更に言うことを含 む。)は、マタハラに該当するとされていますので、法的救済を考えた方が良いでしょう。⑤退職せず、同じ職場で働きたいなら、非公開でかつ裁判所で行われる民事調停手続を選択するのがよいと思います。民事調停では、裁判官と調停委員2名が、調停委員会を構成して担当をしてくれますが、調停委員には労働関係に詳しい委員がつくことが多いので、安心です。