この事例の依頼主
60代 女性
相談前の状況
父母の遺産として数件の土地・建物と相当額の預貯金があり、これを四人の子達が相続しました。兄弟のうち長男がそのほとんどを独り占めにして他の兄弟らに渡そうとしないため、兄弟の一人から、遺産の適正な分割・配分をして欲しいと依頼されました。
解決への流れ
兄弟間での直接の話合いによって合意に至ることは難しいと思われましたので、家庭裁判所へ遺産分割調停を申し立てました。調停では、長男側から親の面倒を長年みてきたとか、親の財産形成に寄与したなどの主張がなされました。これに対する依頼者の言い分や要望を、調停委員に書面で提示しまた聴き取って貰ったのち、依頼者の了解のもと遺産分割案を相手方らに提案しました。調停委員や相手方に検討して貰い、修正などを経て調停条項として合意し遺産分割を行うことができました。
遺産相続に関するトラブルとしてはよくあるケースです。しかしどれも似ているようでいて、実際にはそれぞれ固有の問題を抱えていることが多いです。そのケースでは何が一番のネックになっているかを見極めることが肝心だと思われます。依頼を受けた弁護士としては、絡んだ糸を一つ一つほぐしていくような根気強い作業が必要でした。