この事例の依頼主
60代 男性
相談前の状況
Aさん(60代男性)職業 会社員子ども 2人1 ご相談に至る経緯福岡県朝倉市在住のAさんは、20年以上別居している妻から婚姻費用分担調停を申し立てられましたが、婚姻費用の分担金額が妥当なのか知りたいと希望して当事務所にご依頼されました。Aさんは、20年以上妻とは別居し、その間数度にわたって離婚調停を行いましたが、いずれも不調に終わっていたため、婚姻費用分担調停への対応と合わせて離婚調停を申し立てることを希望しました。
解決への流れ
2 当事務所の活動婚姻費用分担調停は当事務所が受任した段階で成立間近の状態であったため、Aさんの主張をまとめた書面の提出とあわせて、Eさん側から離婚調停を申し立てました。受任後の調停期日で婚姻費用分担については調停が成立したため、離婚調停が長引けば婚姻費用の負担が増大することが考えられましたが、Aさんはこれまで婚姻費用を支払っていませんでしたので、離婚が成立するにはこの点が問題となりそうでした。なお、Aさんと妻との間には二人の子がいましたが、子は既に成人していました。当事務所は、離婚調停が不調となった場合に離婚訴訟を行うことも見越して、どれだけの費用が発生するかを考慮した上で離婚慰謝料を算定し、早期の離婚成立を目指しました。3 解決と成果Aさんの提示する離婚慰謝料額と妻が要求する額に大きな開きがあり、妻側の態度も固かったため、早期に調停を打ち切って離婚訴訟に移行する方針も考えられましたが、当事務所はその方針を裁判官に伝えた上で、裁判官から離婚訴訟について妻へ説明をしていただくよう依頼しました。その甲斐もあって、離婚調停は第2回期日において成立することができました。
4 弁護士の所感本件は、20年以上も別居が続いており数度の離婚調停が不成立となっていましたが、離婚訴訟を見据えた条件の提示により離婚調停の成立にこぎつけた事例でした。数度の離婚調停が不成立となっていても、年月の経過によって双方の事情も変化しますので、法律家に相談して、解決への道筋を探ってみることが大切です。