犯罪・刑事事件の解決事例
#後遺障害等級認定 . #人身事故 . #慰謝料・損害賠償 . #過失割合

工学鑑定を依頼して過失割合を争った交通事故被害者の訴訟(後遺障害別表第1第2級1号)

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川島 英雄 弁護士が解決
所属事務所札幌おおぞら法律事務所
所在地北海道 札幌市中央区

この事例の依頼主

年齢・性別 非公開

相談前の状況

依頼者さんがバイク側の、バイクと四輪車の事故で、依頼者さんには事故時の記憶がなく、現場での実況見分は、事故の相手方や、後続の目撃者とされる人物の立会いで行われ、その結果、バイク側に責任が大きい事故(バイク側7割)であるとされてしまった。そのため、加害者側保険会社からも、健康保険を利用した上での自己負担分のみの支払いしか受けられないような対応をとられたため、ご家族が対処方法についてご相談にいらし、その後、ご本人からご依頼を受けることになった。

解決への流れ

ご家族の話でも、依頼者さんはそれほど無理な運転をするようには思えず、また、実況見分調書の説明を詳細に確認してみると、事故の相手方や目撃者の指示説明どおりの速度ではバイクも車も動くことはできないのではないかと思えた。そこで、民間の工学鑑定を行っている会社に、実況見分調書のほか、バイクや車の損傷写真などを提供して、車体の損傷状況などから衝突時の速度を推定してもらうことを依頼したところ、工学鑑定の結果、当初の実況見分の際に想定されていた速度からみると、30~40km/hも遅い速度で走行していたものと推定されるとの結果が得られた。そこで、この工学鑑定の結果をもとに訴訟を提起し、最終的に、過失割合を5割程度にまで修正させることとした内容での裁判上の和解が成立し、解決した。

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川島 英雄 弁護士からのコメント

まずは、依頼者さんが不当に悪者扱いされずに済んだ解決ができたことが、とても喜ばしいことでした。本件のようにご本人の記憶がない事故では、相手方が事故の責任を否定するような主張をすることが多いものです。この案件では、工学鑑定の結果、大きな結果が得られたことから喜ばしい解決を迎えることができましたが、実際には、費用が高額であることや、鑑定の根拠となる資料が得られないなど、うまく工学鑑定を利用できないことも多いのが実情です。この案件では、現場や車両の損傷状況などについても比較的証拠が残されていましたので、それがとても役に立ったと思います。まず、できる限り客観的な証拠が確保できることが、交通事故の際にはとても重要になるのだということを、あらためて感じさせられた案件でした。