犯罪・刑事事件の解決事例
#人身事故 . #慰謝料・損害賠償

【既払金のほか約1018万円を支払うとの内容で示談が成立】上肢の機能障害の事例

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埋田 昇平 弁護士が解決
所属事務所弁護士法人松本・永野法律事務所
所在地福岡県 福岡市中央区

この事例の依頼主

40代 女性

相談前の状況

福岡県久留米市在住の40代会社員のTさん(女性)は,普通乗用自動車の助手席に同乗中,普通乗用自動車に衝突され,マンション入口の外壁に衝突し,傷害を負いました。本件事故後,Tさんは救急搬送され,X線上,明らかな骨折は認められず,右手関節捻挫等と診断され,加療継続するも,右手関節痛が残存したため,画像検査したところ,右手舟状骨偽関節が認められました。そのため,偽関節の手術を行い,骨癒合は得られたものの,尺側部痛はとれなかったため,TFCC損傷の診断に至り手術を行うこととなり,同手術後,Tさんはリハビリ継続しましたが,頚部痛と右手関節の機能障害を残しました。

解決への流れ

当事務所の粘り強い交渉により,加害者側は当事務所の主張を概ね認め(労働能力喪失率27%,労働能力喪失期間18年間),Tさんに対し,既払金のほか約1018万円を支払うとの内容で示談が成立し,Tさんに満足いただける結果となりました。

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埋田 昇平 弁護士からのコメント

手関節には,橈骨および尺骨,手根骨3者間の安定を図るために三角線維軟骨複合体(TFCC)が存在します。TFCC損傷と診断されたときは,受傷直後は,安静,消炎鎮痛剤の投与,サポーターやギプスなどを用いて手関節を保存的に治療します。サポーターやギプスによる固定療法は,原則として3か月であり,これを過ぎても症状が改善されないときは,手術が適用されています。しかし,TFCCは,それ自体が軟骨で構成されているので,単純XP撮影では確認できず,事故直後にTFCC損傷と診断され,上記治療により改善が得られる被害者は現実問題として一握りです。本件では,主治医よりTFCC損傷の診断を受け,自賠責も後遺障害を認定されましたが,TFCC損傷と交通事故との因果関係が否定されることも少なくないため,受傷直後から小指側の手首の痛み,手関節の可動域制限,握力低下等があれば,これを主治医にしっかりと伝えておく必要がありますし,MRI検査等によって器質的損傷を明らかにしなければなりません。以上より,病院・検査・通院頻度等の選択を誤ると,後の賠償請求の際に不利になってしまうこともあるので,事故から出来る限り早く弁護士に相談して頂きたいと思います。