この事例の依頼主
50代 女性
相談前の状況
夫が数年前に家を出たため別居状態となっているという妻からのご相談でした。大学生のお子様もいるため、夫とはつかず離れずの関係を続けてきましたが、数カ月前に夫から離婚を求められ条件も呈示されたとのことでした。しかし、離婚について決断のつかないまま夫から離婚条件の説明を受けているうちに、内容が二転三転してきたため話し合いが膠着状態となっていたところ、突然夫から離婚調停を申し立てられたとのことでした。夫にも弁護士がついていたので、両当事者に代理人がついて調停が始まりました。
解決への流れ
当方は、調停で妻が望んで離婚をするものではないというスタンスを明確にしました。そして、財産分与の額・内容が争点となったため、どの財産が財産分与の対象になるのか、および、その財産価額の評価基準について、判断材料となる証拠を提出しました。さらに、妻の経済状況や今後、子どもにかかる費用について主張をし続けたところ、夫も一定の理解を示し、財産分与として金銭の支払以外に、夫が住宅ローンを完済し、その家の名義を妻に変更するという内容で、離婚調停を成立させることができました。
当事者間の協議が双方の行き違いもあって膠着状態となってしまった事案です。夫が当初呈示した離婚条件を覆したため、妻であるご依頼者は当初非常に不安に感じておられましたが、弁護士に依頼し、調停という手続を選択したことが速やかな解決に結びついたと言えるでしょう。結果的に、無事に調停が成立し、財産分与として金銭だけでなく家も確保することができ、ご依頼者にはご満足いただけたと思います。