この事例の依頼主
20代 男性
20代アルバイトのAさん(福岡県北九州市在住)は、青信号に従って横断歩道を自転車で進行中、交差点を左折してきた四輪車に衝突され転倒し、第3腰椎圧迫骨折のケガを負われました。
当事務所は、Aさんに通院期間や後遺障害診断等のアドバイスを行い、自賠責保険の後遺障害認定を申請したところ、腰椎の変形について11級7号の認定を受けました。このような後遺障害を前提に加害者側保険会社に対して賠償請求をしたところ、逸失利益を約820万円と算定する等により、1000万円の支払提示をしてきました。上記提示は、「Aさんの労働能力が10年間14パーセント、その次の10年間10パーセント減少する」という前提に立つものでしたが、著しく低額であり、到底容認できるものではありませんでした。当事務所の弁護士は、Aさんの主治医に面談して腰椎圧迫骨折後の腰痛がいかに労働の支障となるかについての意見書を頂くなどして、加害者側に対する訴訟を提起し、争いました。双方の主張立証が一段落した時点で、裁判所から文書による和解提案がなされました。争点である逸失利益については820万円→1340万円へ増額後遺障害の慰謝料について420万円へ増額上記から既払い金などを減額し、総額1500万円という提案でした上記裁判所の和解案では,Aさんの過失割合が5パーセントと認定されたため,Aさんの取り分が95パーセントに減額されていました。そこで、当事務所は「先に人身傷害保険を使い、後に残額を加害者に請求する」という手法により、「100パーセントの回収」を行うことにし、結果としてAさんは1600万円を獲得することができました。以上をまとめると保険会社による最初の提示額1000万円→最終解決額1600万円という大幅な増額を実現することができました。
本件は,Aさんの後遺障害が「脊柱の変形11級7号」という内容であったところに特徴があります。この障害については、保険会社側から「軽微な変形に過ぎず、実生活には何ら支障が無いから、逸失利益は無い(あっても非常に低い)」という主張がなされることが多いのです。 また、そのような保険会社側の主張を採用した裁判例も存在します。本件では、当事務所からの最初の請求に対する加害者側の最初の提示額は「1000万円」でしたが、もし弁護士が付いていない状態で交渉した場合、最初の提示額はもっと低いものであった可能性が高いでしょう。訴訟の中でも、加害者側は「脊椎の変形障害は労働能力に影響しない」などと、逸失利益について強く争ってきました。これに対し、当事務所は主治医にご作成頂いた意見書等の立証を行い、裁判所から「腰椎の圧迫変形の程度が軽微とは言えない」という評価を前提にした和解案を出して頂くことができました。