この事例の依頼主
年齢・性別 非公開
相談前の状況
ご依頼者は,商業地域のテナントビルの1階にて物品の販売を行っている事業者でした。ビルオーナーより,建物老朽化を理由に立ち退きを求められましたが,近時改修工事を行っていたことなどから,老朽化という理由にとても納得できないため,弁護士に相談され,受任するに至りました。
解決への流れ
ビルオーナーと交渉しましたが,納得できる解決案は提示されませんでした。そして,ビルオーナーより,ご依頼者様に対し,立ち退きを求めて訴えが提起されました。当方は,手続の中で,ご依頼者様の事業形態や,立ち退きによって顧客基盤が失われる可能性が高く,打撃が大きいことを丹念に主張しました。最終的に,家賃相当額の数年分の立退き料が支払われることをもって,合意によって解決することができました。
立退料の相場は家賃〇か月分,という情報を目にされたことがあるかもしれませんが,これは根拠があいまいです。立退料は,実際には,そのように画一的に判断されるものではなく,オーナー側の事情や,賃借人側の事情など諸般の事情をもって総合的に決定されます。賃借人側としては,立ち退きを求められると,今後の事業や生活に強い不安を感じるところだと思います。弁護士としては,その不安感を理解し,また今後の事業や生活に展望を持てるようにして,解決に導きたいと考えています。