この事例の依頼主
男性
相談前の状況
Aさんは、いわゆる婿養子で妻の家に入り、長年にわたって妻の家の家業に従事していました。しかし、定年を迎える頃に妻から離婚と離縁を突然切り出され、妻の言い値の財産分与を求められていました。Aさんはこれまで家計すべてを妻に任せていたため、夫婦の財産がどれくらいあるのか知らず、妻の言い値が正しいかどうか判別できませんでした。またこれまで妻の家の家業に貢献してきたことを認めてほしいという気持ちを強くもった状態で相談にこられました。
解決への流れ
財産分与は、原則として夫と妻とそれぞれの財産(夫婦共有財産)を合算し、その2分の1を分け合うものとされています。本件では、妻の言い値が正しいのかどうか分からないため、まずはAさんと妻の財産を徹底的に調査しました。また調査と並行して家庭裁判所に離婚調停を申し立てました。そうすると、調査の結果、妻の言い値の財産分与額の2倍ほどの財産があることがわかりました。さらに、妻の離縁の求めに対し、Aさんがこれまで婿養子として家業に大きく貢献してきたことを主張し、相応の解決金を求める主張をしました。以上の対応の結果、最終的に当初に妻が主張していた言い値の3倍相当の財産分与をすることで調停成立となりました。
婚姻期間が長いほど夫婦共有財産が多くなり、思わぬところに財産があったりしますので、財産分与にあたっては丁寧な財産調査をしておくのがよいかと思われます。