この事例の依頼主
20代 男性
相談前の状況
相談者は,出会い系サイトで知り合った複数人の女性と援助交際,児童買春を行っていました。その中の女性一人が17歳の高校生で,その高校生が深夜の繁華街で遊んでいたことから警察に補導されました。そして,携帯電話を押収され,そこから相談者とのやり取りが警察に発覚しました。相談者は警察に呼ばれ,事実関係についての取り調べを複数回受けている状況でした。相談者は,今後逮捕・起訴されるのではないか,前科がついてしまうのではないか,会社に発覚してしまうのではないかと酷い不安感に襲われ,弊所へ相談に訪れました。相談には,相談者のお父様も心配してご一緒に訪れました。相談者は,相手方が高校生だと認識して肉体関係の対価としてお金を渡したというものでした。
解決への流れ
ご依頼を受けた後,早速警察に相談者の弁護人についた旨の連絡を入れました。そして,依頼者には,警察や検察に呼ばれた際の取り調べて受けるであろう質問に対するアドバイスを行いました。それと同時に,被害者の親御さんとの示談交渉に入りました。捜査機関に対して,会社に連絡をしないように強い申し入れも行いました。相手方の親御さんは,自分の娘がそそのかされて援助交際を行ったものだと頑なにに信じている方でした。粘り強く交渉し,示談金5万円で和解が成立しました。最終的に不起訴処分を得ることができ,会社にも事件が発覚せず,相談者に前科がつくことを避けることができました。
児童買春は,18歳未満の児童に経済的な対価を渡して性行為や性交類似行為をしたときに成立する犯罪で,刑罰は5年以下の懲役または500万円以下の罰金刑です。児童買春を行ってしまった相談者は,多くの方が警察に発覚する前でも,いつ発覚して会社や自分に連絡がくるのかや,突然逮捕されるのではないかといった強い不安を抱えています。早めに弁護士に相談して,自ら警察に出頭し(その際のご相談はさせていただきますし,ご要望があれば幣所弁護士が同行いたします)。弁護士を迅速につけることで,それ自体1つの反省の表れと評価される場合もあります。また弁護士を介して,捜査機関に会社に連絡しないように申し向け,前科がつかないように不起訴処分に向けた活動を行い,事件前と変わらない生活を送っていただけるように努力します。児童買春の場合,本質的には相手方との示談になじまない部分があるのは確かです。しかし,捜査機関の考え方は,法で守られている青少年に対して働きかけ,児童買春に関わらせてしまっている点を重く見ると言われています。。実務的な話をすると,児童買春の場合でも,検察官が起訴か不起訴の判断をする際,被害者の女性と示談が成立しているか否かは大きな視点になっています。その点からも迅速に弁護士をつけて,被害者側(児童買春の場合,被害者の親と示談交渉をすることになります)に示談の申し入れを行い,示談成立を目指すべきといえるでしょう。