犯罪・刑事事件の解決事例
#盗撮 . #加害者

【盗撮(公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例違反)】の事案で不起訴処分を獲得しました

Lawyer Image
澤田 剛司 弁護士が解決
所属事務所弁護士法人若井綜合法律事務所新橋オフィス
所在地東京都 港区

この事例の依頼主

50代 男性

相談前の状況

日曜日の午後,事務所携帯電話にご本人から連絡があり,検察の取調べを受けているという相談を受けました。詳しく内容を聞くと,深夜の駅の階段を上る女性の後ろから,携帯電話でスカートの中の写真を撮り,その場に居合わせた男性数人に取り押さえられ警察に連行,その後検察に送致され取り調べを受けているとのことでした。相談者は,既に盗撮で検挙されたことがあり,仮に起訴された場合,職を失う可能性があることから,なんとしても,不起訴処分で事件を終局できないかという相談でした。

解決への流れ

検察の取り調べを数度受けてから時間がかなり経過していたので,いつ終局処分が出てもおかしくない状況でした。そこで,依頼者に事務所に来てもらい,その場で弁護人選任届に署名・押印をいただき,その足で検察庁まで出向くとともに担当検察官への面会を申し入れました。検察官と会うことができ,弁護人選任届を提出するとともに,終局処分を出すのを遅らせてもらえるようにお願いをしました。そして,被害者との示談の意向があることを伝え,被害者の連絡先の開示を求めました。翌日,検察官から被害者の連絡先を聞き出すことに成功し,被害者との示談交渉に入りました。被害者は20歳の女性で高額の慰謝料を求めてきましたが,交渉を打ち切られないように慎重に話を進め,被害者の両親とも話し合いを重ね,最終的に低額での示談に成功し,相談者を許すという宥恕条項と加害者の刑事処罰を求めないと言う文言を示談書に入れることに成功しました。その後,担当検察官に終局処分の意見書を提出し,不起訴処分を求め,合わせて示談書を提出しました。また,検察官に直接架電し依頼者の就業状況等,仮に起訴された場合に依頼者が受けるであろう不利益を熱意を持って伝えました。最終的に,依頼者は不起訴処分となりました。依頼者には前科が付かず仕事を続けることができ,現在も精力的に働いております。

Lawyer Image
澤田 剛司 弁護士からのコメント

本件のポイントは,弁護士が介入して直ちに検察官に連絡を取り,終局処分を出すことを遅らせてもらえるように申し入れたこと。粘り強い交渉の上,被害者と示談を成立させた点にあるでしょう。加害者が直被害者と交渉することは困難(そもそも被害者は示談の申し入れをしたとしても,話し合いのテーブルに付くことは極めて少ないといえるでしょう)であることを踏まえると,依頼者にとってベストな事件対応だったといえるのではないでしょうか。また,弁護士を立てて迅速に行動し,弁護士から捜査機関に会社に連絡を取らないように強く申し入れたことから,会社へ発覚を防ぐことができた点も大きなポイントでしょう。もちろん弁護士としても,依頼者に前科が付かず,仕事を続けられたことは大きな喜びです。