この事例の依頼主
50代 男性
相談前の状況
相談者は、母親が病気で亡くなる直前にもかかわらず、遺言書など何もつくっていなかったことから、母親と絶縁状態にある弟との相続問題が生じることが怖れていました。そのため、至急、遺言公正証書を作成する段取りをとることとなりました。
解決への流れ
相談者と母親との間で話をしてもらい、遺言公正証書の下書きを作成したうえで、事前に、私が公証役場の公証人と文案を調整のうえ、遺言書作成の当日、公証人に病院にきてもらい、私も、立ち会ったうえで、母親の遺言公正証書を作成しました。
このような事案で問題となるのは、死を直前にした親が作成した遺言書が、真に、親の意思を反映しているといえるかということです。遺言書は、最後に作成した遺言書が有効とされていることから、死の直前で意識がはっきりしない親に、自身に有利な遺言書を作成させるということが往々にして行われているからです。そのため、親の死後、相続人間で争いにならないように、遺言書を、公証人の立会のもと、公正証書で作成するのをお勧めします。本件では、公正証書作成前に、私が母親と面談し、母親の認知能力、遺言意思について確認し、動画記録も残すなど綿密に対応することとしました。無用な紛争を起こさないように、事前の備えはとても重要です。