この事例の依頼主
30代 男性
Tさんは、親から引き継いだ飲食店を自営で経営していました。当初は十分な客数があり、売上も十分あったことから、新規の設備購入等も積極的に行っていました。同時に新規投資のための資金を銀行等から借り入れることもあり、その金額は約900万円に上っていました。それでも、経営が順調であったときは問題なく返済ができていました。ただ、徐々に客足が離れていくようになり、売上は毎年のように下がり続けていました。そうすると借入の返済が厳しくなり、返済のために個人で持っていたクレジットカードから借り入れをするなどして、当座の支払いに充てていました。しかし、そのような自転車操業は長くは続きません。タイミング悪くテナントとして入っていた施設が倒産し、退去を余儀なくされるという事態が発生し、売上の落ちていた自営は諦めることにしました。まもなくTさんは就職をしましたが、毎月の収入は35万円程度、自営の時の借入や個人としての借入が1000万円で月の返済額が約20万円にもなり、住宅ローンの支払も月10万円弱あることから、自力で支払いを継続するのはとても無理でした。そこで、自宅を残しつつ個人再生手続をしたいとして当事務所に相談に来られました。
Tさんは、自営業を廃業し就職されていましたので、毎月安定した収入がありました。また、自宅については住宅ローンが設定されていました。そのような状況から住宅ローン特則付個人再生を進めるのがベストであると判断できました。手続の途中でアルバイト収入が減るなどしたため、住宅ローンを滞納する事態が発生し、個人再生の継続が危ぶまれることもありましたが、何とか住宅ローン滞納を解消し、個人再生申立を行いました。その結果、Tさんの債務は1000万円から200万円に圧縮になり、月の返済額は6万円弱まで圧縮できました。これにより、Tさんは経済的再生を果たし、借金返済に追われることのない生活を取り戻すことができました。
自営業廃業後就職し、住宅ローン特則付個人再生で経済的に立ち直りを図った事案です。個人再生は、財産を手放すことなく債務を圧縮し、住宅ローンのついた自宅を残すことも可能になる手続です。利用のための条件は多岐にわたりますが、ご相談いただければ、弁護士が利用可能かどうか判断の上、手続きを進めていきます。家を残しつつ借金の負担を軽くしたいという方は、当事務所にご相談いただければと思います。