犯罪・刑事事件の解決事例
#遺産分割

相手方が財産を独り占めしようとしている場合の対応

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大川 雄矢 弁護士が解決
所属事務所大川雄矢法律事務所
所在地神奈川県 川崎市幸区

この事例の依頼主

50代 男性

相談前の状況

父が亡くなり,その相続人は兄弟4人だけなのですが,父には長年連れ添った内縁の妻がおり,その方から,遺産の大半を自分に取得させてほしいといわれています。その方が父の面倒を見ていたことは事実であり,その方の今後の生活を考えるとその方に一定の金額を支払うこと自体には兄弟間で異論はないのですが,かといってその方が遺産の大半を取得することまでは認めることができません。どうしたらよいでしょうか。

解決への流れ

遺産分割調停の中で,内縁の妻の方が既に解約してしまっている預貯金についてはそのまま内縁の妻の方に取得してもらう一方で,他の預貯金についてはすべて兄弟4人で分配するということで話をつけることができました。内縁の妻の方にも財産を残すということができて,皆が納得できる解決になったと思います。

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大川 雄矢 弁護士からのコメント

内縁の妻は相続人ではありませんが,この事例では遺産分割調停の中で解決が図れました。以前は,預貯金については相続開始と同時に相続分に応じて分割するという扱いがなされていました。ところが,最大判平成28年12月19日裁時 1666号1頁により,共同相続された普通預金債権,通常貯金債権及び定期貯金債権は,いずれも,相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されることはなく,遺産分割の対象となるというように判例変更されました。そのため,預貯金についても遺産分割調停や審判の中で解決することが求められるようになっています。手続の選択も含めて,事案に応じて適切な対応は変わってきますので,まずはお気軽にご相談ください。