犯罪・刑事事件の解決事例
#財産分与 . #DV・暴力

激しいDVを長年受け続けたと主張する妻からの強引な訴訟に対応し、有利な内容での和解に導きました。

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中谷 寛也 弁護士が解決
所属事務所桑田・中谷法律事務所
所在地東京都 新宿区

この事例の依頼主

50代 男性

相談前の状況

結婚して30年程度のご夫婦の件ですが、夫婦ゲンカの翌日に、自分で家出をした妻から離婚の訴訟を起こされたとして、男性がご相談に見えました。訴状を見ると、「何年間も、毎日のように激しい暴力を受け続け、ついに殺されそうな暴力を受けたので家を飛び出した」などと書かれていましたが、実際には過去(10年以上前)に、夫婦ゲンカの際に平手で殴る程度のことしかしたことはなく、また、妻が家出をする前の日に夫婦ゲンカをして、一回平手で殴ってしまったのは事実だが、殺されると感じるようなことは何もしておらず、その日はそのまま収まったとのことでした。実際に、診断書も証拠として提出されていましたが、毎日激しい暴行を受け続けたような大きな怪我があるという記載はなく、軽い打撲という記載しかありませんでした。殴ったことは悪いと思っているし、離婚することは致し方ないが、さすがに自分はここまでひどい人間ではないとおっしゃっていました。

解決への流れ

依頼者のお話をじっくり伺って、相手方の主張に反する証拠を探し出し、診断書の記載と相手方の主張する暴力の内容が合わないことや、たまにケンカをする以外には仲の良い夫婦・家族であったことが窺えるメールや写真などを多く裁判所に提出して、相手方の言っていることは嘘だということを丹念に主張しました。最終的には、証人尋問を行って判決をもらうことも考えていたのですが、相手方の主張はたしかに嘘が多いけれども、家出の前日には殴ってしまったのは事実であるということに加え、裁判官もこちらの言い分をかなり考慮してくれ、財産分与も含めて若干の金額を支払えば良いという、こちらに相当有利な和解案を提示してくれたので、依頼者とも相談の上、和解に応じることにしました。

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中谷 寛也 弁護士からのコメント

離婚の調停や訴訟は、普段であれば最も信頼し合っているはずの夫婦間のプライベートな事実が争いになるもので、普段から相手のことを記録したり、相手と合意書を交わしたりするわけではありませんから、証拠として提出できるものといっても、どうしても数が限られてしまいます。そして、証拠がないだろうということを逆手にとって、少しでも自分に有利な結論を得ようとして、本当でないことを主張する人や、場合によっては嘘の証拠を提出する人も多くいます。私は、そうした事例が多い離婚の訴訟において、なるべく細かく依頼者の方のお話しを伺い、客観的な証拠をできるだけ多く集めて、裁判所に、こちらの言い分が正しいとわかってもらえるように働きかけるように努力しています。本件も、そうした努力が実って、裁判所に理解してもらい、かなり有利な和解案を引き出すことができたと思います。