この事例の依頼主
40代 女性
相談前の状況
別居してから10年近く経ったものの,精神的にしんどく相手方と交渉や調停をすることができずにいた方がやっとの思いで調停を申立てたがこの先どうしてよいか不安であるということでご相談に来られました。単に離婚するのではなくできれば同居時にいろいろされたハラスメント行為に対して金銭で賠償してほしいというお気持ちがあるようでした。
解決への流れ
別居期間が長いため離婚自体は認められますが一方でかつてのハラスメント行為を立証することは困難でした。しかし,10年近く生活費の支払いがなかった状況であったため,本件をきっかけに婚姻費用を請求することとしました。結果,離婚訴訟が終わるころには合計すると相当な額を相手方から受けることができました。また,何度か依頼者の方の気持ちが折れかかることもありましたがなんとか離婚まで頑張ることができました。
「慰謝料」「解決金」「婚姻費用」などの名目に捕らわれるのではなく、依頼者の方が望む真の要望をお聞きし,法的に可能な範囲でその要望に寄り添うことが大切であると感じています。また、依頼者の方がメンタル面に課題をもつとき,弁護士側に理解がないことで思わぬ衝突を生むことがあります。その意味で弁護士にも福祉的な要素が不可欠と日々感じております。