父の死亡後に、兄が多額の預金を引き出していたことが判明し、これを取り返して欲しいという女性からのご依頼でした。

当初、依頼者は、父の死後に500万円以上の預金が引き出されているとのことで相談に来られましたが、弁護士において財産調査を実施したところ、父の生前にも、1500万円以上の預金が引き出されていたことが判明しました。引き出された預金は合計で2000万円以上にもなり、すぐに、預金を引き出した相手方（依頼者の兄）と交渉を開始しました。相手方は、当初引き出したのは自分ではないなどと主張し、交渉を拒絶していました。弁護士は、弁護士法２３条による照会により、金融機関から払戻請求書を取得し、払戻請求書に記載されている筆跡が相手方のものであることを突き止め、証拠を示した上で訴訟提起をすることを予告したところ、相手方は、引出しの事実を認め、引き出したお金を任意に返還することに応じました。その後、引き出されたお金も含めて遺産分割協議が成立し、依頼者は、1000万円以上の現金とその他の遺産を獲得しました。