犯罪・刑事事件の解決事例
#欠陥住宅

15年以上前の施工不備の是正費用相当額を裁判上の和解により獲得できた事案

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向井 飛翔 弁護士が解決
所属事務所熊本共同法律事務所
所在地熊本県 熊本市中央区

この事例の依頼主

男性

相談前の状況

15年以上前にアパートを建設したご相談者様は、界壁の施工に不備があったことが最近になって判明したことから、その修繕に要した費用や施工不備により減少した賃料収入の補填等を施工業者に対して請求できないかと相談にいらっしゃいました。施工からは15年以上が経過していたものの、界壁の施工不備が判明してからであれば(ギリギリ)3年は経過しておらず、不法行為に基づく損害賠償請求ができる可能性がありました。そのため、消滅時効が成立する前に、急いで訴訟提起することとなりました。

解決への流れ

訴訟提起後、施工会社からは、界壁の施工不備を理由とした不法行為は成立しないと強く主張してきました。そのため、こちらとしては、界壁の施工不備が建築基準法に違反するものであり、是正しなければアパートの住人に危害が及んでしまうことを積極的に主張していきました。そして、こちらの積極的な主張の甲斐もあって、裁判所が選定した1級建築士が「界壁の施工不備が建築基準法違反であり、是正が必要である」との意見を述べてくれたため、最終的には、界壁の施工不備の是正費用について施工業者が全額支払うという形で和解することができました。

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向井 飛翔 弁護士からのコメント

施工不備を理由とする損害賠償請求については、まず検討するのが契約不適合責任に基づく請求です。この請求であれば、施工不備があることさえ立証できればよく、認めてもらうためのハードルは相対的に下がるためです。ですが、本件は、施工から15年以上も経過していたことから、契約不適合責任に基づく請求が難しい事案でした。このような場合は、不法行為に基づく損害賠償請求があり得ますが、そのためには、施工不備があることに加えて、その施工不備が建物としての基本的な安全性を損なうものであることまで立証しなければならないため、認めてもらうためのハードルがはるかに高くなります。本件は、法的にはかなりハードルが高いものではありましたが、訴訟に関与していた1級建築士の意見が裁判官を動かし、こちらに有利な和解が実現できました。なお、本件は、消滅時効完成間際であったこともあり、事案の難易度は高かったものの、わずか1週間弱で訴状を書きあげました。大変ではありましたが、このような急ぎの対応もできるのが私の強みです。