この事例の依頼主
60代 女性
相談前の状況
結婚35年を迎えた妻で,すでに,子供は成人して独立している。会社経営者の夫が,従業員の女性と不倫関係にある。絶対に許せないので,慰謝料を請求したい。
解決への流れ
不貞行為の慰謝料は,不貞相手との連帯債務であり,また,裁判上も,請求が認容される金額は,通常,200万円から300万円であることを説明し,むしろ,財産分与を求めるべきであるとして,方針を変更した。離婚調停を申し立て,不動産を中心とする婚姻後に形成された財産について立証を尽くし,婚姻後に形成された夫名義の財産額が約2000万円であることが明らかになった。これに,慰謝料金額相当額を加算した上で,1500万円の支払いを求めたところ,解決金として1500万円を支払うこと,本件和解内容を第三者に口外しないことを条件として合意するに至り,離婚調停が成立した。
一般の人が予想するより,不貞行為の慰謝料は低額です。他方で,財産分与については,婚姻期間や形成財産額に大きく左右されるとは言え,婚姻期間が長期に及ぶと,高額になる場合があります。本件では,相手方が,訴訟を回避して早期に解決し,本業の会社経営に専念したいという動機があり,これ以上の悪評を防止するため「口外禁止」条項をを取引条件としたことから,高額の解決金の獲得が実現できました。