この事例の依頼主
40代 女性
相談前の状況
夫と離婚したいと考えていますが,私と同居している2人の子のうち,上の子は私立中学校に通っていて学費がかさんでおり,下の子も通っている小学校は公立ですが,私立中学校への入学を目指して学習塾に通っていてその費用がかさんでいます。離婚が成立するまでの婚姻費用や離婚成立後の養育費を決めるにあたって,私立学校の学費や学習塾の費用を考慮してもらって加算してもらうことはできるのでしょうか。
解決への流れ
弁護士に依頼して夫婦関係調整(離婚)の申立てと婚姻費用分担請求の申立てをしてもらったところ,そのいずれにおいても,「養育費・婚姻費用算定表」で決まる婚姻費用や養育費の金額から,私立中学校の学費や学習塾の費用としてかかる金額の大部分を夫に負担してもらう形で加算してもらうことができました。
「養育費・婚姻費用算定表」においては,教育費について,公立中学校・公立高等学校に関する学校教育費については考慮されているものの,そのほかのものは考慮されていません。そのため,養育費や婚姻費用を支払う義務がある方が支払うことを承諾していた教育費や,その方の収入や学歴・地位などからしてそれらの費用を負担させることが不合理でない教育費については,「養育費・婚姻費用算定表」により算定した金額に加算することが認められています。加算の方法にはいろいろありますが,実際にかかっている私立学校の学費や学習塾などの費用から,「養育費・婚姻費用算定表」において考慮されている公立学校の学費を差し引いた金額を,これらの学費等の加算を求める方の収入と支払を求められている方の収入に応じて負担するという形をとることが一般的です。そのため,弁護士を通じてこれらの計算根拠をきちんと示せば,学費などの加算をしてもらえることが多くなっています。