この事例の依頼主
50代 男性
相談前の状況
価値観の違いから奥様と別居し、娘さんを一人で育てている旦那様からの相談でした。夫婦双方が離婚することについては合意していましたが、夫婦双方が親権を主張したため話し合いが決裂し、ご相談に来られました。
解決への流れ
親権をめぐる裁判では父親に親権を認めてもらえるケースは少ないため事前にそのことをお伝えしました。そのうえで、親権を獲得するために少しでもこちらで有利な事情を揃えるため、ご主人のご両親の協力も得て、子育てについて十分な環境を整えていただきました。また、お子さんの母親との面会交流については積極的に行っていただきました。最初に調停を行いましたが不調で終わったために、訴訟となりました。裁判の中では調査官が娘さんの家庭環境を調べるための調査に来ますが、その中で家族仲がいいことや娘さんを育てていく十分な環境が整っていること、面会交流も積極的に行っていることなどの事情をアピールしていただきました。その結果、調査官は意見として現在の状況を維持することが望ましいと父親側に有利な意見を書いてくれました。こうした調査結果もあり、奥さんの代理人とも協議を続けた結果、最終的に父親を親権者とすることで和解がまとまりました。
親権をめぐる裁判では母親が親権者として認められるケースが圧倒的に多く、父親というだけで不利になることも多くあります。しかし、そういった状況下でも監護の実績や娘さんを育てていく環境が整っていることなどを示し続けていき、父親が十分に育てていけることを調査官や裁判官に示すことで親権を獲得できるケースも存在します。そのため,親権について争いがある場合には,父親というだけで諦めるのではなく,まずは専門家までご相談ください。