犯罪・刑事事件の解決事例
#加害者 . #不同意性交(強姦)・わいせつ

大切なのはやはり真実、否認貫いて不起訴

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北神 英典 弁護士が解決
所属事務所法律事務所横浜きぼうの杜
所在地神奈川県 横浜市中区

この事例の依頼主

50代

相談前の状況

児童買春の疑いで、雑誌記者の男性が突然、警察に逮捕されました。警察署でその男性に面会(接見)すると、出会い系で知り合った女性と性交渉をしたのは事実であるものの、女性は「自分は20歳」と言っていたと訴えました。児童買春は、買春の相手が18歳未満でなければ成立しない犯罪です。その女性が本当は18歳未満であったとしても、男性が18歳未満の児童を相手に性行為をしているという認識がなければ、児童買春の罪は成立しません。そこで、私は、男性に対し、女性が18歳未満であると認識していなかったのであれば、道義的な問題があるかどうかはともかく、犯罪にはならないからそれを貫くという選択は間違いではないとアドバイスしました。

解決への流れ

男性から本格的に依頼を受けた私は、男性の気持ちが折れることがないよう、時間のある時はできるだけ警察署に出向いて男性を励ますことに努めました。警察というものは、容疑者に対して疑いのまなざしを向け続けるものです。この事件でも、刑事は、男性が責任逃れの嘘を言っていると決めつけて、取り調べの中で何度も何度も自白するよう要求してきました。容疑を否認している容疑者に対しては、警察が逮捕してから最長で23日間の身柄拘束が許されています。突然何の前触れもなく23日間も自由を奪われるという経験を、一般の人はしたことがありません。手練れの刑事からあの手この手で繰り返し何度も自白を迫られると、多くの人は、本当のことを信じてもらえない無力感にさいなまれ、捨て鉢な気持ちになり、つい、刑事に迎合してしまうに至ります。取り調べの場では、疑われ続けるよりはその方が気持ちがずっと楽になるからです。容疑を否認している場合に、弁護士が面会を怠ると、逮捕されている人の多くは、本当のことを訴え続ける気力が消えて刑事の都合のいいウソの自白をしてしまうと言います。それが数々のえん罪を生んできました。私は、男性の気持ちが折れないようできるだけ日を空けずに面会を繰り返し、どんなに疑われても、真実を訴え続けるよう励まし続けました。男性も23日間身柄を拘束されましたが、結局、真実の主張を貫くことができ、起訴されずに終わりました。会社にも正直に伝え、釈放され不起訴となった後も、会社からは格別大きなペナルティーを受けることなく復帰することができました。

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北神 英典 弁護士からのコメント

この事件は、男性が勤める会社の方からの紹介を受けて担当した事件でした。紹介してくれた方は、警察に逮捕されるとほぼすべての案件が有罪となるという先入観を持っていて、不起訴になったことをとても驚いていました。しかし逮捕というのは警察の捜査の初期に行われるものであり、誤解やえん罪に基づく逮捕も多く含まれています。世間には、買春のような犯罪は容疑を認めればすぐに釈放されるかのような見解も流布していますが、正しいものではありません。逮捕が誤解やえん罪に基づく場合は、ぶれることなく真実を訴えていくことがご本人にとっても結果的に最も良い解決になることが多いといえます。