犯罪・刑事事件の解決事例
#不当解雇

取引先のクレームで解雇、労働審判で解雇無効が認められる

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北神 英典 弁護士が解決
所属事務所法律事務所横浜きぼうの杜
所在地神奈川県 横浜市中区

この事例の依頼主

40代 男性

相談前の状況

「取引先からクレームを受けたから辞めてもらう」。営業所長からそう言われて運送会社を締め出されたトラック運転手の男性が、法律相談にやってきました。その日、配送先の倉庫会社の職員と、ちょっとした言葉の行き違いがあったのは事実でした。もっとも、運転手の男性はその場で言葉の行き違いをしていたことに気づいて謝り、すっかり解決したものだと思っていました。しかしその倉庫会社の職員がこの男性の無礼な言動でクレームを付けたという話が配送会社の元請けを経由して男性が勤める運送会社に伝わり、営業所長から「もう会社に来るな」と言われたとのことでした。

解決への流れ

男性と相談して、解雇の無効と未払い賃金を求める労働審判を申し立てることにしました。もっとも、倉庫会社の職員が運送会社の元請けに一体どのようなクレームを付けたのかがよく分からず、これを突き止めることが必須と考えられました。そこで、法律に規定された弁護士会照会という手続きを使って、倉庫会社に対し、倉庫会社の職員はこの男性について、運送会社の元請けに対し、どのようなクレームを付けたのか問い合わせることにしました。倉庫会社から回答が戻ってくるまでに2カ月ほど掛かりましたが、実際には職員はクレームを付けたのではなく、運転手の男性に格別の問題があったわけではないことが確認できました。その結果、労働審判委員会は解雇が無効だったことを認めてくれました。それを前提に、男性は最終的に未払い賃金プラスアルファの給与11か月分相当をもらって円満に退職することになりました。

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北神 英典 弁護士からのコメント

男性の勤務先の運送会社と倉庫会社がグルになって、男性の言動に問題があったと回答されていたら苦しくなっていたかもしれません。しかし倉庫会社は、正直に事実を回答してくれました。それが大きかったと考えています。運転手の男性は、解雇されて随分と不愉快な気分を味わいましたが、11か月分の賃金に加えて失業給付(仮給付)を丸々と手にして、喜んで別の運送会社へと転職していきました。