この事例の依頼主
年齢・性別 非公開
【被害者属性】給与所得者(会社員)【被害内容】10〜12級【部位別後遺障害】下肢【後遺障害等級】12級【自己態様】人対車両【自己状況】歩行者【賠償額】(受任前)- (受任後)900万円【加湿割合】(受任前)0% (受任後)0%------------本件は,相談者が歩行中に自動車にはねられてしまい,「脛骨骨折」等の傷害を負ってしまったという事案です。
① 被害者請求相談者は,長期間の入通院治療を受けていました。当事務所では,事故の衝撃の大きさや傷病の内容,入通院治療状況等から,下肢の神経症状が残る可能性があることを考えました。もっとも,当事務所が受任した時点までに作成された診断書を検討すると,相談者の訴える病状は正確に反映されていないものでした。そこで,相談者に同行して主に通院していた病院に伺い,後遺障害診断書を改めて作成していただくよう依頼しました。もっとも,主治医の診断を受けても,主治医の診断は短時間で終わってしまい,依頼者の病状を正確に反映してはくれませんでした。被害者請求を行なったものの,「受傷部位にほとんど常時疼痛を残すもの」とは捉え難いという理由で,後遺障害非該当という判断を下されてしまいました。② 異議申立(1回目)依頼者も当事務所も,損害調査事務所による後遺障害等級の認定結果には納得ができなかったため,再度後遺障害等級を検討してもらうために,異議申立手続を行うこととしました。異議申立を行う際には,他の医療機関の協力を得て依頼者の病状に関する意見書を作成してもらうとともに,当事務所において依頼者の病状を詳細に聞き取り,陳述書を証拠として整理した上で異議申立手続を行いました。そして,異議申立の結果,症状の一貫性が認められ,「局部に神経症状を残すもの」として,後遺障害等級14級9号に該当するという認定に変更されました。③ 異議申立(2回目)無事に後遺障害等級該当という判断を得ることはできましたが,やはり本件事故の衝撃の大きさや傷病の内容,入通院治療状況等からすれば,後遺障害等級14級9号にとどまるという判断には納得ができませんでした。そこで,再度相談者と話し合い,もう一度だけ異議申立を行うことにしました。改めて当方でも意見書を作成して異議申立手続を行ったところ,後遺障害等級14級9号から,「局部に頑固な神経症状を残すもの」として,後遺障害等級12級13号に該当するという認定に変更されました。④ 示談交渉による大幅な増額このように,当初は後遺障害等級非該当だったものの,何度も異議申立を繰り返し行なった結果,最終的に後遺障害等級は12級13号に該当するとの判断に変更となりました。そして,後遺障害等級12級13号に該当することを踏まえて示談交渉を行った結果,最終的に賠償金額を900万円以上増額させることができました。
※守秘義務の観点から、事例の一部を修正しています。※事務所として対応いたしました。本件では,相談者の協力を得ることもできたために,無事に適正な後遺障害等級を獲得することができました。そして,適切な後遺障害等級を獲得することができたために,最終的に大幅な賠償金額の増額を実現することができたといえます。もっとも,適切な後遺障害等級を獲得するまでには,相当の長時間を要した上,相談者にも何度も病院を受診していただくなどのご負担をおかけすることになってしまいました。本件のように,事故態様や障害内容からすれば,後遺障害が残るのではないかと思われるようなケースであっても,適切に障害内容が医療記録に残っていなければ,適切な後遺障害等級が認定されるとは限りません。適切な後遺障害等級が認定されるためにも,まずは事故直後からの対応が何よりも重要となってきます。