この事例の依頼主
60代
相談前の状況
海外の事業に投資する詐欺で、事実上はねずみ講であった。最初は配当が出て儲かるように錯覚させ、知人を紹介させ、どんどん被害者を増やしていった。早く参加している者は儲かっていたり、被害が比較的少ないが、後から参加した者ほど被害が大きいという、依頼者の間でも利害が対立しかねない事案であった。
解決への流れ
会社に受任通知を発送し、連日書面をファックスした。休日を使って被害者全員分の告訴状を作成し、加害会社にファックスをし、実際に刑事告訴をする姿勢を強く見せた。加害会社も相手の弁護士のことを調べるはずなので、私が元検事なのを知って、本当に刑事告訴をしてくるのではないか、と思い込ませることに成功した。毎日電話をかけて、返金を催促した。そして、これらの依頼者の分を返金したら、もう他の被害者の依頼は受けないことを約束し、合計約3000万円を取り返した。
やはり、怖いものなしの詐欺業者も、刑事告訴は怖れていると思います。実際に十数人分の告訴状を作成し送り付け、毎日電話をかけることによって、こちらが本気で刑事告訴をすると思いこませ、こんな弁護士と関わり続けるくらいなら返金して終わらせよう、と思わせることに成功したと思います。この分野は特に、「信念は現実化する」と強い思いで交渉することが必要です。